2-1 堕落から洪水まで(その2)

6.不従順に対する罰
 悲しいことにカインはやり直すようにとの神の勧めを受け入れず、弟アベルを殺しました。全てを知り、全てを見る方である主は尋ねました。「弟アベルは、どこにいますか」カインは偽りました。「知りません。わたしが弟の番人でしょうか」

 それから主はカインの罪への罰を告げました。「あなたは何をしたのです。あなたの弟の血の声が土の中からわたしに叫んでいます。今あなたはのろわれてこの土地をはなれなければなりません。この土地が口をあけて、あなたの手から弟の血を受けたからです。あなたが土地を耕しても、土地は、もはやあなたのために実を結びません。あなたは地上の放浪者となるでしょう」

 カインは答えました。「わたしの罰は重くて負いきれません。あなたは、きょう、わたしを地のおもてから追放されました。わたしはあなたを離れて、地上の放浪者とならねばなりません。わたしを見付ける人はだれでもわたしを殺すでしょう」(創世記4:13-14参照)

 主が答えました。「いや、そうではない。だれでもカインを殺す者は七倍の復讐を受けるでしょう」(創世記4:15参照) それから主はカインにしるしをつけ、カインを見つける者がだれも殺すことのないようにしました。殺人の罪と神に従うことを拒否した結果、カインは主の前を去り、エデンの束、ノドのさびしい土地に住みました。

7.神と共に歩んだ人々
a. セツ
 アダムとエバには多くの子供がいました(創世記15:4) が、セツと名付けた息子が生まれた時、エバは「カインがアベルを殺したので、神はアベルの代わりに、ひとりの子をわたしに授けられました」と言いました。(創世記4:25) セツは信仰深い人で、アベルが持っていたように、神に仕えたいという思いがありました。人々が主の名を呼びはじめたのはこの頃です。(創世記4:26参照)

b.エノク
 アダムより6代目のエノクは創世記の中で興味ある人物の一人です。彼は神を愛し、神に従順でした。聖書にこう記されています。「エノクは神とともに歩み、神が彼を取られたので、いなくなった」(創世記5:24) ヘブル11章5節にこの超常的な出来事についてより詳しい説明があります。「信仰によって、エノクは死を見ないように天に移された。神がお移しになったので、彼は見えなくなった。神が移される前に、神に喜ばれた者と、あかしされていたからである」

 歴史の初めから、神への従頗と信仰によって神を喜ばせた人々がいました。しかし全ての人が彼らのような信仰と従順を持っていたわけではありませんでした。

C.ノア
 エノクのひ孫の時代に、人の悪が地にはびこり、すべてその心に思いはかることが、いつも悪い事ばかりであるのを主は見ました。人があまりに悪に満ち無法なので神は人を造られたのを悔やみました。神は言いました。「わたしが創造した人を地のおもてからぬぐい去ろう。人も獣も、這うものも、空の鳥までも。わたしは、これらを造ったことを悔いる」(創世記6:7)

 しかし神の前に恵みを得た人、ノアがいました。他の人々が常に悪い思いを持ち、あらゆる悪を行っていた一方で、ノアは神を信じ、恐れをもって神に従いました。ヘブル11章4節にこのように記されています。「信仰によって、ノアはまだ見ていない事柄について御告げを受け、恐れかしこみつつ、その家族を救うために箱舟を造り、その信仰によって世の罪をさばき、そして、信仰による義を受け継ぐ者となった」

 アベル、セツ、エノク、ノアが共通して持っていたものは何でしょうか。信仰です。彼らは神を信じ、従いました。初めから神が人に求めていたものは信仰でした。ヘブル11章6節も次のように言っています。「信仰がなくては、神に喜ばれることはできない。なぜなら、神に来る者は、神のいますことと、ご自身を求める者に報いて下さることとを、必ず信じるはずだからである」

by カレブ