番外編-FAT FREE アイスクリーム

 これは、以前私がホームスティをしていた時の話です。
私のホストファーザーのスティーブ(以後、おっちゃん)と私とある決め事をした話です。

 おっちゃんの体重は、約100kg、当時私の体重も78kg前後だったかと思います。おっちゃんが私にある提案をしました。

 おっちゃん 「K○Z(注:私の名前を呼んでいる)、最近太ってきたんじゃないか?」
 私      「そう、なんか体重が増えてきているみたい。ダイエットしないといけないね」
 おっちゃん 「K○Z、これからお互いの体重が増えないように、お互いに注意しあっていこう」

おっちゃんの意味は、こうである。これ以上体重が増えないように、お互い忠告しあっていこう。というものである。

 私     「賛成!これから注意(忠告)しあっていこう」

 数日後、私はテスト勉強をしていました。時計の針が深夜0時を過ぎた頃に、台所の方で何か音が聞こえてきました。「何だろう?」と思い、台所に行ってみると、そこにはパジャマ姿のおっちゃんが、手に1ガロン(約3.8リットル)のアイスクリーム容器を持って、立ち食いしていました。

 私      「おっちゃん、こんな時間にアイスクリームはダメだよ。この間お互いに注意しあおうと決めたから、忠告します!はい、レッドカード!」

 ところがおっちゃんは、忠告を受けても全く気にせず、しきりに何かアイスクリームの容器に書かれている文字を指差して、

 おっちゃん 「K○Z、大丈夫、心配は要らないよ」

 そしておっちゃんは自慢しながら、私にこう言いました。

 おっちゃん 「だってこれ F・A・T F・R・E・E(脂肪分0%)アイスクリームだから!」
 私      「・・・」

 おっちゃんは、脂肪分が0%であれば何の問題も無いと思っていたようである。例え、脂肪分0%のでもカロリーはあるだろうに。そしてこれが、最初で最後の忠告となりました。

 by カレブ