番外編-う○にしメンコ

 先日、27年ぶりに中学時代の同窓会がありました。横幅が大きくなったり、あの付近には地肌が見えていたりとそれなりの姿になっていました。懐かしい友人と共に時を過ごし、話をしていると、色々な思いが思い出されてきました。今の今まで長い間、思い出すことも無かったことを、まるでポップコーンが弾けて出来上がるように、どんどん当時の思い出が頭に浮かび上がってきました。人の記憶とは面白いものですね。そして小学校時代に遊んでいた頃のことも思い出してきました。それが「う○にしメンコ」です。
 
 昭和40年頃の遊びは、ドッジボール、ローラースケート、鬼ごっこ、駒回し、そしてメンコでした。メンコというのは、名刺サイズの厚紙で出来ており、一人一人が自分のメンコを地面に置き、順番で自分のメンコを地面に叩きつけ、他の人のメンコをひっくり返すか、自分のメンコが誰かのメンコの下に入ると、その人のメンコを自分の物にすることが出来る遊びです。私はブルース・リーのメンコが大好きで、いつもそのメンコを使用していました。メンコのコツは、助走をつけることです。そうすると地面に叩きつけられるメンコは勢いを増し、いとも簡単に相手のメンコをひっくりかえすことが出来ました。ここで話しを戻しますが、小学校のとき、う○にし君という友人が居ました。彼は一人っ子でお母さんから、大切に大切に育てられていました。そして、そんな彼もメンコ遊びをしました。私はメンコには自信がありました。いつものようにお気に入りのブルース・リーのメンコを、助走を付けて地面に叩きつけました。するとどうでしょう?? う○にし君のメンコがひっくりかえりました。私は「やったーっ!」を喜び、そのメンコを手にしたのでした。しかし、その喜びもつかの間でした。なんと、そのメンコの裏には、・・・ひらがなで「う○にし」とマジックで書かれていたのでした。そうです。う○にし君のお母さんの字で、「う○にし」と書かれていました。当時、自分の持ち物には名前を書いておくのは当たり前のことでした。でもメンコは例外です。お母さんは女性なので、きっとメンコで遊んだことがなかったのでしょうね。それからというもの、「う○にしメンコ」は誰にも狙われず、安泰の地位を確立したのでした。 by カレブ