番外編-シェリル

 私がアメリカの大学に行き始めた時、外国人留学生の発音練習が出来るレッスン教室がありました。当然発音に自信の無い私は、その教室に参加することにしました。その教室で教えてくれる方は、大学4年生の英語を専攻しているシェリルという女学生でした。正直私はそのレッスンを受ける時はいつもドキドキしていました。というのもそのシェリルは可愛く、金髪で青い瞳の人であったのです。ただでさえ発音の悪い私でしたから、毎回レッスンの時はなおさら緊張して意味不明の発音をしているような状態でした。

 月日も流れ大学のキャンパスでばったりとあのシェリルに出会いました。とっさに何を話そうかと思い巡らしましたが、とりあえず緊張している状況を伝えようと思い、シェリルに話しかけました。“I am nervous!”「私は、緊張しています」と言うつもりが、何故か ”I am angry!”「私は怒っています」と言ってしまいました。呆然と立ちつくす私。何てことを言ってしまったのだろう。失敗するとしても、してはいけない失敗をしてしまったと思いました。

 その後月日が流れ、シェリルと再開した時にあの私の失敗談を話しました。

私-「あの時はびっくりしたよ。何故かわからないけど、緊張していますと言おうとしたら、「私は怒っています」と言ってしまったね。びっくりしたでしょう? いきなり怒っていると言われて」 

シェリル-「え、「私は怒っている」と言っていたの? 私、「お腹が空いている」と言っているのかと思っていたけれど・・・」 

そうです。お伝えした通り、私の発音が良くない為、”I am angry” と言ってしまったと思っていましたが、シェリルには ”I am hungry” と聞こえていたようでした。自分の発音の悪さに情けなく思いました。 By カレブ