唯一の神(その2)

2)父、子、御霊は1人の神であるのか、又は3人の神であるのか?

 御子イエス・キリストの母は、マリヤであり、父は神の霊であった。

“御使が答えて言った、「聖霊があなたに臨み、いと高き者の力があなたをおおうでしょう。それゆえに、生れ出る子は聖なるものであり、神の子と、となえられるでしょう。”(ルカによる福音書1章35節)

 従って、イエス・キリストは、母マリヤから体を受け継ぎ、父なる神から霊を受け継いだ。その為イエス・キリストは、人の子とも呼ばれ、また神の子とも呼ばれた。イエス・キリストは、ある時は母マリヤから受け継いだ人間の性質で語り、ある時は父から受け継いだ神の霊の性質で語った。

“神はそのひとり子を賜わったほどに、この世を愛して下さった。・・・”(ヨハネによる福音書3章16節)

 ここに神(父)とひとり子(御子)が登場しています。神は、この世(私たち人間)を愛して下さったとあります。私たちを罪の奴隷から購うことが神の御旨でした(マタイによる福音書1章21節)。そして罪の赦しを得る為には、いのちである血が必要でした。“血を流すことなしには、罪のゆるしはあり得ない。“(ヘブル人への手紙9章22節)とあります。

“神は霊であるから“(ヨハネによる福音書4章24節)肉体を持たず、肉体が無ければ、当然、血も持っていない。その為、人であるマリヤを通して、神の霊を持つ、義なる方の血によって、人々を解放する必要があった。しかし、ゲツセマネの園で祈っているイエス・キリストは、このように語っています。

“「わが父よ、もしできることでしたらどうか、この杯をわたしから過ぎ去らせてください。しかし、わたしの思いのままにではなく、みこころのままになさって下さい」。”(マタイによる福音書26章39節)

 父なる神は、この世を愛して下さったという御言葉を見ました。しかし、ご自分がその血を流すのではなく、子を遣わしてその子の血を流すことは、本当に世を愛していることなのだろうか。私も子を持つ親であるが、子を守る為に子の代わりに自分自身を差し出すことは難しくありませんが、自分を差し出さずに、子だけを差し出すことは到底考えられません。しかもイエス・キリストは「もしできることでしたらどうか、この杯をわたしから過ぎ去らせてください」と言っています。

 それでは、ここで言う父と子とは、どのようなことなのであろうか。イザヤ書に次の御言葉があります。

“ひとりのみどりごがわれわれのために生れた、ひとりの男の子がわれわれに与えられた。まつりごとはその肩にあり、その名は、『霊妙なる議士、大能の神、とこしえの父、平和の君』ととなえられる” (イザヤ9章6節)

 この御言葉より、ひとりのみどり子が、大能の神であり、とこしえの父であることを言っています。人も色々な役割があります。私の両親から見ると、私は子であり、私の子供たちから見ると、私は父であり、会社の人から見ると、私は同僚であったりと同じ一人の人であるが、その役割は複数あります。神も同じように、ただ唯一の神であるが、父であり、子であり、助け主である聖霊の役割があると言うことが出来ます。

 従って、イエスご自信は、霊なる父でもあり、この世を愛する為に、また罪の赦しを得る為にご自分の血を流す必要がありました。それで父なる神が肉体をもって現れる為に、イエス・キリストとして生まれて来られました。神ご自信がその血を流す為に、人と同じ姿をとり、全てにおいて人と同じになり、世の罪から購う為に、その血を流したのである。

 イエス・キリストが私たちと同じ人の姿で来られた理由は、私たちの手本となる為に、また罪を購うことの出来る資格を得る為に、肉を伴って現れることが必要であった。神が神ご自身のままで、人の手本となることが出来るだろうか。人は神と同じようになることが出来るのであろうか。決して人が神のようになることは出来ない。また人のあがない主となる資格を得るには、彼は義なる人として完襞な、正しく、罪のない生活を送らなくては成らなかった。従って、神ご自信が人と同じ姿となり、人々の手本となる必要があった。

“キリストは、神のかたちであられたが、神と等しくあることを固守すべき事とは思わず、かえって、おのれをむなしうして僕のかたちをとり、人間の姿になられた。その有様は人と異ならず、おのれを低くして、死に至るまで、しかも十字架の死に至るまで従順であられた。“(ピリビ人への手紙2章6-8節)

“確かに偉大なのは、この信心の奥義である、「キリスト(ギリシャ語原語では、【神】)は肉において現れ、霊において義とせられ、御使たちに見られ、諸国民の間に伝えられ、世界の中で信じられ、栄光のうちに天に上げられた」。”(テモテへの第一の手紙3章16節)

故に、父、子、聖霊は3人の神では無く、唯一の神なのである。

by カレブ